家を売却する際、多くの人がリフォームや不動産会社の選定に注目しがちですが、実は「測量図」の有無が売却の成否を左右することもあります。特に「土地付きの家」を売るときにおいて、測量図があるかどうかで、買主の安心感や不動産価格、契約のスムーズさが大きく変わります。
この記事では、家を売るときに測量図をつくっておいたほうがいい理由と、測量士に依頼するべき具体的なタイミングや流れ、費用相場について、わかりやすく詳しく解説します。
測量図とは、土地の境界線や面積、形状、高低差などを明確に記した図面のことです。主に以下の2種類があります。
不動産売買は高額な取引であり、買主にとっては大きな決断です。そのため、土地の正確な情報がない状態では、不安から購入を見送るケースもあります。
また、測量図がない場合、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
測量図があることで、買主は「土地面積が正確」であることを確認できます。特に確定測量図がある場合は信頼性が高くなり、適正価格での売却が可能になります。
場合によっては、測量図がない物件よりも数十万円以上高く売れるケースもあります。
測量図があることで、購入希望者は安心して契約に進むことができます。測量を後から実施すると1〜2か月かかることもあり、その間に買主が離れてしまうことも少なくありません。
境界があいまいなまま売却しようとすると、買主との契約後に隣地との越境問題が発覚し、契約解除や損害賠償に発展する可能性も。
あらかじめ測量士に依頼して、隣地所有者と立ち会いを行っておけば、こうしたリスクを避けることができます。
買主が住宅ローンを利用する場合、金融機関は担保評価を行います。その際に測量図があることで、土地の資産価値を正確に査定できます。測量図がないと評価額が下がったり、融資が通りにくくなったりするリスクもあります。
測量士は国家資格であり、土地の形状や面積、境界を正確に測るプロフェッショナルです。不動産登記や建築の前段階として、非常に重要な役割を担っています。
測量の種類 | 内容 | 目的 | 作成時間 |
現況測量 | 現在の土地の状況を図面化 | 簡易的な売却や参考資料として | 約1~2週間 |
確定測量 | 境界を法的に確定し図面化 | 売却・登記・分筆など正式な手続き用 | 約1~2ヶ月 |
売却が確実に見込まれる場合や将来的なトラブルを防ぎたい場合は、確定測量をおすすめします。
測量の費用は土地の大きさや形状、隣地の状況などにより異なりますが、以下が目安です。
※都市部や不整形地、筆数が多い土地は費用が高くなります。
自治体によっては、境界確認に関する助成制度や空き家対策支援の一環で、測量費用の一部を負担してくれるケースもあります。まずは市役所や区役所に相談してみると良いでしょう。
以下のようなトラブルが想定されます。
家を売却する際、測量図の有無は単なる「資料のひとつ」ではなく、買主の信頼を得るための重要なファクターです。特に確定測量図を準備しておけば、境界トラブルを避け、安心かつスムーズな売却が可能になります。
多少の費用や時間はかかりますが、それ以上に得られるメリットは大きく、不動産取引全体の円滑化にもつながります。
特に都市部では、1センチの境界ズレが大きな問題に発展することもあるため、事前の測量は不可欠です。
…ます。不動産の売却は一生のうちに何度もあることではなく、売主・買主の双方にとって大きな決断です。だからこそ、事前にできるリスク対策や信頼性の担保が極めて重要です。
測量図を準備することで、
といった、実務的かつ心理的なメリットを得ることができます。
特に「隣地との境界が不明確」「土地の形状が特殊」「空き家を売りたい」といったケースでは、測量図がないまま売却を進めることは、リスクを抱えたまま契約に進むようなものです。
「後から測っておけばよかった…」と後悔しないためにも、家を売ろうと思ったら、まずは測量士に相談してみることをおすすめします。
測量士への相談や見積もりは無料で行ってくれる事務所も多く、不動産会社を紹介してくれるケースもあります。安心して次の一歩を踏み出すために、「測量図の準備」はぜひ早い段階でご検討ください。